高速深夜バスで寄ったパーキングエリアのトイレで最後のコンタクトを落としたあの悲劇から始まった。
眼鏡の生活に嫌気がさし、コンタクトを作ろうと思い続けてはや2、3ヶ月。
やっとコンタクト屋に行った。
場所は五稜郭のシダックス前にある『プライスコンタクト函館』。
函館ではここでしかコンタクトを買った事がない。
しかも、ここは五稜郭にも関わらず無料で駐車が出来る(1時間)のでありがたい。
中に入ると品の良さそうなおばちゃんが完璧な事務対応で手続きを済ませてくれた。
黄色い番号札11番を貰い、椅子に座る。
平日の昼過ぎなのに地味に込んでいた。
よく見ると若い人が多い事に気付いた。
客も看護婦も。
きょろきょろしているうちに自分の名前が呼ばれた。
以外と早く呼ばれ、油断していた。
心の準備がまだだった。
診療室?に入ると中の絵を覗く機械に連れられて、中の絵を見た。
芝生の向こうに赤い屋根の家がある絵だった。
家のパターンと気球のパターンを知っているがこの他に何かパターンはあるのだろうかと疑問に思った。
機械を操る看護婦が何故か挙動不振な動きをする。
少し困った顔をして、コンタクトをどれくらい使っていないか聞いてきた。
1、2ヶ月と適当に答えたら納得してまた機械を操り始めた。
この時のはまだ前兆の始まりだった。
次に眼科医の診断を受けるように言われた。
眼科医のGOサインが出れば視力検査をしてコンタクトを手に入れる事が出来る。
つまり、ここを突破すればコンタクトはもう貰ったもんだ。
薄暗い部屋で太ったオッサンが自分の目を見る。
以下はこの場所で起きたやり取りを示す。
眼科医「あーい、右目いくよー。あーい、目を下に向けてー」
自分「...」
眼科医「あーい、次左目いくよー。あーい、目を下に向けてー」
自分「...」
眼科医「んー、はい、アウト〜!」
自分「!!?」
眼科医「黒目が大きくなりかけてるねー、うん、酸素足りてなかったようだねー」
自分「ほう」
眼科医「このままだとイルカみたいな目になっちゃうよー」
自分「はぁ」
眼科医「初期段階で良かったーん。この状態でコンタクトしたらそのうち目見えなくなるよー。」
自分「!!?」
眼科医「さっきの機械で測った%@$*(なんて行ってたか覚えていない)の値がヤバいねー」
自分「?」
眼科医「だからコンタクトは無理ダス。わざわざ来てもらって悪いんけど、とにかく今の状態では無理ダス。」
自分「そうですか(ダス?)。いつぐらいなら大丈夫ですか?」
眼科医「2、3ヶ月は禁止だわね」
自分「わかりました。2ヶ月後また来ます。」
といったやり取りが行われ、一応視力検査だけして帰る事となった。
失明の恐れがある事を知り動揺した。
まあ幸い初期段階で安静にしていれば治るから良いけど。
「治療費は380円です」。
めっちゃ安い。
完璧な事務対応でおばちゃんが高速でレジをうつ。
駐車場が無料になる判子も押してもらい帰宅した。
コンタクトは使用期限を過ぎたらなるべく早く交換しようと誓った。
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